ワンオペ育児のストレスを減らすコツ:

公認心理士が解説

 

① 初めに

「朝から夜まで子どもと二人きり…」「誰にも頼れない気がする…」「みんな楽しそうだな」

ワンオペ育児をしていると、ふとした瞬間に孤独や疲れを感じることがあります。

 

子どもを育てることは本来、家族や地域など多くの人の支えの中で行われるものです。

しかし現代では、親が一人で育児を抱える状況も少なくありません。

 

心理学の研究でも、孤立した子育てはストレスが高まりやすいことがわかっています。

人はストレスを感じた時に、誰かに話す・頼ることで負荷を下げる仕組みを持っています。

しかし、ワンオペでは、

・「相談できない」

・「頼れない」

・「共感してもらえない」

という、そもそもストレスを減らすための仕組みを使うことが困難な状況にあるのです。

しかし、だからといってワンオペ育児が無理だということにはならないのです。

 

この記事では、公認心理師の視点からワンオペ育児のストレスを減らすコツについてやさしく解説します。

心理士パパ
心理士パパ
ワンオペ育児がつらく感じるのは、とても自然なことです。そもそも人は「一人で子育てするようにはできていない」んですね。

しかし、ストレスを減らすことができないわけではありません。ストレスとの付き合い方を一緒に学びましょう。

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ワンオペ育児がストレスになりやすい理由

ワンオペ育児では、次のような負担が重なりやすくなります。

  • 休む時間がない

子育ては、終わりのない仕事でもあります。

ワンオペでは、休息する時間がなく、睡眠もとぎれとぎれになります。

負担を回復する暇がないため、慢性的なストレス状態に陥りやすいのです。

  • 誰にも相談できない

人はストレスを感じた時に相談する・誰かに頼るということで、負荷を下げることができます。

また、人に共感されないことは、ストレスの出口をふさぎます。

孤立はストレス反応を強め、うつ症状や不安を高めることが研究でも示されています。

特に心理学では、社会的サポート(人とのつながり)が少ないほどストレスが強くなることが知られています。

  • すべて自分で決めなければならない(責任の集中)

『子どもの安全』、『健康』、『学習』、『感情のケア』すべての最終決定をしなければいけません。

自分が倒れたら終わりだという慢性的なストレスにさらされます。

これは、「責任ストレス」として蓄積されます。

  • 承認の欠如(評価されにくい)

ワンオペ育児は『見えない労働』とも言えます。

本来は、大切な子どもを育てることは、みんなに称賛される価値があります。

しかし、実際は「褒められず」、「評価されにくく」、「成果も見えにくい」ものになってしまっています。

人は、承認がないと自己効力感が下がり、疲れやすくなるといわれています。

  • 比較による自己否定

SNSの普及によって、周囲の過程と比較しやすい環境にあります。

「みんなできているのに、私は・・・」となりやすく、キラキラとした子育てが目につきます。

さらに、孤立していると間違った比較を修正してくれる相手がいないため、自己否定の悪循環にはまりやすくなってしまうのです。

心理士パパ
心理士パパ
「大変だ」と感じるのは、頑張っている証拠でもあります。まずはその気持ちを否定しないことが大切です。

自分で自分をほめる力が、心の安定にはとても大切になってきます。

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ワンオペ育児のストレスマネジメント:4選

① 完璧な育児を目指さない

ワンオペ育児では、すべてを完璧にこなすことはとても難しいものです。

「今日はこれだけできればOK」と考えることで、気持ちの負担が軽くなります。

心理学では、このような認知の柔軟性がストレス軽減につながると言われています。

また、『○○%ルール』を自分で作るのもおすすめです。

100%を目指すのではなく、やろうと思ったことの70%でもできていればOKとしよう。

と自分の中で決めることで、気持ちが楽になります。

② 小さな休憩を意識して作る

子どもが寝ている時間や遊んでいる時間に、短い休憩をとることも大切です。

  • 温かい飲み物を飲む
  • 深呼吸する
  • 好きな音楽を聞く

こうした短い休憩でも、心は少しずつ回復します。

もちろん、子どもが寝ている間に、洗濯物や食事の準備などやらなければいけない仕事もあります。

それでも、少しでいいので自分の時間を確保する意識をもっていることが大切です。

子どものために休んで位はいけないではなく、

自分のために休むことが、子どものためにもなるという意識が大切です。

自分のために休んで良いんです。

③ 誰かに話す

ストレスを感じたときは、誰かに話すことがとても大切です。

  • 友人
  • 家族
  • ママ友
  • 子育て支援センター

話すだけでも気持ちが軽くなることがあります。

人は、一人で抱えられるストレスや悩みに限界があります。

これは、心理学の世界では、『こころのコップ』として考えられます。

一人ひとりコップの大きさは違いますが、どのコップにも限界があります。

その限界を超えると、イライラが爆発したり、何もやる気が起こらなくなったりといった症状として現れます。

コップを溢れさせないために、誰かに相談するという行動は、コップの水を少し相手のコップに移させてもらうようなイメージです。

そうすることで、コップの水はあふれにくくなり、徐々に自分のコップのサイズを大きくすることができます。

④ 自分をねぎらう習慣を持つ

ワンオペ育児では、自分を評価する人が少なくなりがちです。

だからこそ、自分自身で「今日もよく頑張った」と認めることが大切です。

小さな達成を意識することで、自己肯定感も保ちやすくなります。

心理士パパ
心理士パパ
子育ては、評価されなくても、未来を育てるかけがえのない仕事です。

子育ては、社会的には評価されずらい仕事です。

しかし、一人の人間の基盤を作るという、ほかには代えられない大仕事をやっているのです。

  • 「寝不足なのに、今日も子どものご飯作った。わたしえらい。」
  • 「今日は休むことを選べた。これも大切な自己管理!」
  • 「相談できた私、勇気があった。」
  • 「イライラしたけど、最後までやり切った。」

自分で自分をほめることで、心の健康を保つことができます。

これは、甘やかしでなく、自己肯定感を育てる大切な心の回復スキルなのです。

 

③ まとめ

ワンオペ育児は、心身ともに大きなエネルギーを使います。

ストレスを減らすためには、次のようなポイントが大切です。

  • 完璧を目指さない。(○○%ルール)
  • 短い休憩をとる(親も休んで良いんです)
  • 誰かに話す(心のコップの水をおすそ分け)
  • 自分をねぎらう(心の回復スキル)

子育てを頑張っているあなたは、すでに十分に頑張っています。

一人で抱え込みすぎず、少しずつ心を休ませながら子育てをしていきましょう。

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