完璧主義の親の不安がなくならない理由と楽になる方法

完璧主義の親の不安がなくなららない理由と楽になる方法
「ちゃんとやらなきゃ」と思うほど苦しくなるあなたへ
「もっとちゃんと関わらなきゃ」
「この対応でよかったのかな」
「他の親はもっとできている気がする」
子育てをしていると、こんなふうに“ちゃんとやろう”と頑張るほど、苦しくなることがあります。
実はそれ、あなたの努力不足ではなく、「完璧を目指す構造」そのものに理由があります。
この記事では、心理士としての視点から、完璧主義がしんどくなる理由と、少し楽になる考え方・関わり方をやさしく整理していきます。
この記事でわかること
- 完璧主義の親が不安になりやすい理由
- よくある思考パターン
- 気持ちを軽くする考え方
- 今日からできる対処法
① なぜ完璧主義はこんなに不安になるのか?
完璧主義が不安になる一番の理由は、「終わりがない」ことです。
- もっとできたはず
- これで十分なのかわからない
- 少しの失敗も許せない
この状態は、ゴールのないマラソンを走り続けているようなものです。
どれだけ頑張っても「まだ足りない」と感じてしまう状態です。
さらに、子育ては「正解が一つではない」ため、余計に不安が強くなります。
よく使われる「ちゃんと」、「完璧」、「しっかり」、これらは便利な言葉ですが、
実はとてもあいまいで、実際にどのような状態なのかを考えずに使いがちです。
では、「完璧な親」とはどのような親でしょうか?
・おいしいご飯を作る
・洗濯物・部屋が毎日きれい
・仕事もしている
・いつも子どもにやさしい・・・etc
無限にあるこれらをすべて満たすことは現実的ではありません。
しかし、完璧主義の人はこれらが一つでも満たされないと、不安を感じてしまいます。
② 完璧主義の親に多い思考パターン
よく見られる考え方があります。
- 100点でなければ意味がない
- 失敗=ダメな親
- 常に正しく関わるべき
この思考の特徴は、「0か100か」で評価してしまうことです。
しかし実際の子育ては、グラデーションの世界です。
毎日100点を目指した結果、親が疲れてしまうのでは本末転倒です。
③ よくある誤解
完璧主義の背景には、こんな思い込みがあることが多いです。
- ちゃんとやらないと子どもに悪影響が出る
- 甘やかすとダメになる
- 常に理想的であるべき
しかし実際には、「多少の揺れ」は子どもにとってむしろ自然な経験です。
いつか子どもが出ていく社会もいつも一定の環境を提供してくれるわけではありません。
これは親子の関係でも一緒です。親子だからといっていつも仲良く安定した関係でいるわけではありません。
親も子も一人の人間であることを考えると、時に喧嘩したり、距離をとったり、うっとうしく感じたりすることも自然なことです。
完璧な関わりより、揺れる環境の中でも「安心して戻れる関係」がある事のほうが重要です。
④ 完璧主義が子どもに与える影響
少し視点を変えてみると、見えてくるものがあります。
親が完璧主義で、それを見た子どもはどうなっていくでしょうか?
- 子どもも「失敗してはいけない」と感じやすくなる
- 顔色をうかがうようになる
- 挑戦することに慎重になる
もちろん、すべてが悪いわけではありませんが、失敗を許さない子育ては「余白」がなく、その関係はお互いに苦しくなりやすいです。
多くの親は、
・人生山あり谷あり。悪いときもあっても、良いときが必ず来る。
・何事にも挑戦してほしい。仮に失敗してもそこから学ぶことがある。
・子どもには伸び伸びと育ってほしい。
といったことを考えるのではないでしょうか。もちろん、子どもにどうなってほしいのかは家族のそれぞれの考え方なので、正解はありません。
しかし、失敗を許さない完璧主義は、おおよそ上記のような子ども像とは真逆の結果になりやすいのも事実です。
⑤ 今日からできる対処法
ここからは、現実的に取り入れやすい方法を紹介します。
5-1 「25%でOK」と決める
最初から完璧を目指さず、「これくらいで十分」とラインを決めておきましょう。
ほめて伸ばす子育ての中に『25%ルール』というものがあります。親が求める行動の25%を子どもが達成できればすかさず褒めるというものです。
学校から帰ってきたら、自分で宿題を終わらせる。
→【25%ルール】 ランドセルから宿題を出す。
といった感じです。
これを自分の子育てにも当てはめることができれば、自分で自分を追い込むことが減ります。
そんなのは「ごまかしだ!」と言われそうですが、何事も急に100点でできるわけではありません。運動でも、言語学習でも徐々にできるように練習が必要です。
これは子育てでも一緒です。急に100点が出せるほうが難しいのです。
5-2 自分への声かけを変える
- ダメだった → 頑張っていた
- 失敗した → 学びがあった
言葉を変えるだけで、感じ方は大きく変わります。
これも『25%ルール』を適用した時にとても大切なことです。
5-3 修復を大切にする
- あとで声をかける
- 気持ちを伝える
- 関係を戻す
関係は「崩れないこと」ではなく「戻れること」が大切です。これを子どもに教えるだけではなく、親が示すことが必要です。
5-4 他者に相談する
一人で抱え続けることが、完璧主義をさらに強めてしまいます。
- パートナーに話す
- 友人に共有する
- 専門家に相談する
「外に出すこと」で、思考のバランスが整いやすくなります。
自分の考え方の癖に気づくことはとても難しいです。
実は、自分のことは自分が一番わかっていないことがあります。
多くの親の相談を聞く中で、すごく頑張っているのに自己評価が低い親に会うことは少なくありません。
そして、客観的な意見を伝えた結果、自己肯定感が改善したケースが数え切れないくらいたくさんあります。
⑥ うまくできない日があっても大丈夫
ここはとても大切なポイントです。
どんなに意識していても、うまくいかない日は必ずあります。
それでも関係は壊れません。
むしろ、「やり直す経験」が関係を強くします。
- 後で関わり直す
- 気持ちを伝える
- 抱きしめる
完璧ではなく、「つながり続けること」が大切です。
⑦ まとめ
まとめポイント
- 完璧主義は終わりがなく疲れやすい
- 0か100ではなくグラデーションで考える
- 修復できる関係が大切
- 他者に相談することで楽になる
- 完璧でなくても子どもは育つ
完璧な親である必要はありません。
25%達成できていれば十分です。
少し余白のある関わりの中で、子どもは安心して育っていきます。
「ちゃんとやろう」としているその気持ちは、すでに十分すぎるほどの愛情です。
もし、一人で考えて不安に押しつぶされそうになっているのなら、誰かに相談してみましょう。
誰かとシェアすることで、気持ちが楽になります。
子育ての悩みは、恥ではありません。すでに頑張っている自分に気づくためにも、一人で抱え込みすぎないことは大切です。














