自分で考えることができる子どもに育つための親のマインドセット

はじめに

どうして自分で考えないの?」

「言わないと動かない…

子育てをしていると、そんな悩みを感じることがあります。

 

しかし、子どもが自分で考える力は、急に身につくものではありません。
日々の関わり方や、親の考え方(マインドセット)によって少しずつ育っていくものです。

 

心理学の視点から見ると、子どもの「考える力」は、親が答えを与えるのではなく、子どもが考える機会を持つことで育っていきます。

 

この記事では、公認心理師の視点から、自分で考えることができる子どもに育つための親のマインドセットをやさしく解説します。

 

心理士パパ
心理士パパ
子どもが自分で考える力は、「正解を教えること」よりも「考える時間を大切にすること」で育っていきます。

焦らずいきましょう。

子どもが自分で考える力とは?

そもそも「考える力」とは、単に勉強ができることではありません。

考える力とは?

  • どうすればいいかを思考し続ける
  • 問題を解決しようとする
  • 困難に直面した時に向き合う
  • 自分なりの方法を見つける

こうした力は、日常生活の中で少しずつ育っていきます。

 

しかし、親が先回りして答えを教えすぎると、子どもは「考える必要がない」と感じてしまうこともあります。

いま、「考える力」が大切な理由

今の時代は、「情報過多」、「生き方の多様化」、「職業の多様化」など、とても複雑な時代に突入してきました。

 

今の子どもが大人になるときには、さらに複雑な時代に突入し、自分で考えて、選択し、決断する力の重要性は増していきます。

 

今までのように、終身雇用が保証されて、一部の職業につきさえすれば一生困らないといったものは、ごくごく一部になっていくと思われます。

 

心理士パパ
心理士パパ
子どもが考える力を育てるには、「すぐに答えを出さない関わり方」がとても大切なんです。

自分で、「考え」「悩み」「解決する」「修正する」という力が必要なように、親には「見守る」、「道しるべは最小限」、「躓いた時には励ます」といった力が必要になってきます。

自分で考える子どもに育つための親のマインドセット

① すぐに答えを教えない

子どもが困っていると、つい答えを教えたくなります。

 

親心として、『子どもに苦労はさせたくない』と考えるのは、自然なことです。

 

しかし、今子どもが苦労しないために、子どもができるはずのことまで親がやってしまうことは、『自分で考える力』を奪ってしまうことになるのです。

 

この考えのもとになるのが、発達心理学者の Lev Vygotsky が提唱した「発達の最近接領域(ZPD)」と言われるものです。

簡単に言うと、『今は一人ではできないけれど、大人が少し手伝えばできるようになる”伸びしろゾーン”』のことです。

大人が手伝うのは、このゾーンの行動です。

子どもは「できること」と「まだできないこと」の間に“あと少しでできそう”という領域を持っています。

 

この“あと少し”の部分を大人がちょうどよく支えると、子どもはぐんと成長します。

 

「どうしたらいいと思う?」と問いかけつつ、この”あと少し”を手伝うことで、子どもは自分で考える機会を持つことができます。

この小さな積み重ねが、考える力を育てていきます。

② 失敗を経験させる

失敗は、子どもにとって大切な学びです。

 

親が失敗を避けようとしすぎると、子どもは自分で考える経験が少なくなってしまいます。

 

『転ばぬ先の杖』と言われるように、子どもが失敗する前に困難を排除してしまうと、困難に直面した時にそれに立ち向かう力が育たなくなります。

 

心理士パパ
心理士パパ
ただ、失敗させればいいというわけではありません。

『子どもの力で解決できそうなこと』、『少し大人が手伝えば解決しそうなこと』については、失敗をさせても、そこから学ぶことができる可能性が高いということです。

 

安全な範囲で失敗を経験することが、成長につながります。

 

手を出さなくても、『励ます』ことが必要なばめんはたくさんあります。

③ 子どもの考えを尊重する

子どもの考えが大人から見ると遠回りに見えることもあります。

 

しかし、その考え方を否定するのではなく、まずは受け止めることが大切です。

 

「そう考えたんだね」と認めてもらうことで、子どもは自分の考えに自信を持てるようになります。

 

子どもも、一人の人間です。自分で考え、意見を言い、行動することができるのです。

 

子どもであるということだけで、大人の言うことの方が正しいと考えるのは、傲慢なのかもしれません。

 

時には、大人の方が凝り固まった考え方で、子どもの方が柔軟な考え方ができることも少なくありません。

まずは、子どもの意見に耳を傾けてみましょう。

そのためには、大人側にものんびりと子どもの行動を見守る余裕が必要です。

④ 答えよりもプロセスに注目する

子どもが何かに取り組むとき、結果ばかりに目が向きがちです。

 

しかし、考える力を育てるためには、結果よりも「どう考えたか」を見ることが大切です。

 

その過程を認めることで、子どもは「考えること」に価値を感じるようになります。

 

そして、子どもの発達には、親の注目』が必要です。

親が注目した行動は増えます。子どもの行動の結果・成果に注目をすると、子どもは結果ばかりに縛られてしまいます。

もし、親が考える過程に注目をしたなら、考えることに価値を見出し、自分で考えることに子どもが価値を見出すようになります。

心理士パパ
心理士パパ
考える力は、すぐに伸びるものではありません。
日常の小さな問いかけが、子どもの思考力を育てていきます。

そして、親の『注目』は子どもの発達を促します。

まとめ

『自分で考える力』は、子どもの将来にとってとても大切な力です。

 

その力は、特別な教育ではなく、日々の親の関わりの中で育っていきます。

 

今回紹介したマインドセットは次の4つです。

  • すぐに答えを教えない
  • 失敗を経験させる
  • 子どもの考えを尊重する
  • 結果よりもプロセスを見る(注目を与える)

親が少し関わり方を変えるだけで、子どもは自分で考える力を少しずつ育てていきます。

「自分で考えなさい」ではなく、すでに子どもは自分で考える力を持った存在です。

あとは、子どもの考える力を邪魔せず、少し手伝ってあげる意識が必要です。

焦らず、子どものペースを大切にしながら関わっていきましょう。

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