子どもの発達相談に行くタイミングー公認心理士がやさしく解説

子どもの発達相談に行くタイミング
心理士パパがやさしく解説
① 初めに
子育てをしていると、
「この子の発達は大丈夫かな?」、「他子どもと同じことができていない気がする」
と不安になる瞬間があります。
言葉が遅い、落ち着きがない、こだわりが強い、人との関わりが苦手など、気になることが出てくると「相談した方がいいのかな」と悩む方も多いでしょう。
しかし実際には、「まだ様子を見てもいいのかな」「相談するほどではない気もする」と迷い続けてしまうことも少なくありません。
発達相談は、問題が確定してから行く場所ではなく、気になることを一緒に整理する場所です。
早めに相談することで、親の不安が軽くなったり、子どもに合った関わり方が見えてくることも多くあります。
「ちょっと気になる」を整理するための場所なんです。
そんなに思い悩まずに使っていい場所なんです。
この記事では、心理士の視点から子どもの発達相談に行くタイミングと、親として知っておきたい対応のポイントをやさしく解説します。
②発達相談に行くタイミングとは?
結論から言うと、発達相談に行くタイミングは「親が気になったとき」です。
子どもの発達には個人差があり、同じ年齢でも成長のスピードは大きく違います。
そのため、明確な基準を決めることは難しいのが現実です。
ただし、多くの相談で共通しているのは次のような状況です。
- 言葉の発達がゆっくりで心配
- 落ち着きがなく集団生活が難しい
- 強いこだわりがある
- 癇癪が激しい
- 人との関わりが少ない
こうした様子があると、「育て方が悪いのかな」「もう少し様子を見るべきかな」と悩んでしまう親も多いでしょう。
私たちも、理由はわからないけど膝が痛くなれば病院に相談に行きます。
それと一緒で、「気になる事」があれば相談に行っていいのです。
相談することで、必ずしも診断がつくわけではありません。
多くの場合は、子どもの特徴を整理し、家庭でできる関わり方を一緒に考えることが目的になります。
③ 発達相談に行くときのポイント
① 気になる様子を記録しておく
相談をする際に役立つのが、日常の様子の記録です。
- どんな場面で困りやすいか
- どんなときに落ち着くか
- 癇癪が起きるタイミング
- 好きな遊び
こうした情報があると、専門家も子どもの特徴を理解しやすくなります。
あいまいな気になるよりも、生活の中で出ている具体的な行動が大切です。
・ちゃんとできない
・いつもそわそわしている
・ごはんの時に1分くらい経つと席を立ってしまう。
・スーパーの中を走り回る。道路に急に飛び出すことが毎日ある。
このような具体的な行動がや状況が必要な理由は、
例えば『座っていることができない』という行動に対して、『家』と『幼稚園(学校)』があったときに、
・どちらか片方の場面でだけ起こる → 『環境』が影響している可能性が高い
・どちらの場面起こる → 『発達の課題』の可能性が高い
といった判断の材料になるのです。
なので、できる限り具体的に説明できるように紙に書いておくなどをするとより詳しいアドバイスを受けることができます。
② 一人で抱え込まない
子どもの発達について悩むと、「自分の育て方の問題ではないか」と感じてしまう親もいます。
しかし発達の特性は、育て方だけで決まるものではありません。
その時の環境や持って生まれたものだったりすることも少なくありません。
ただ、その特性自体をなくすことはできないけれど、周囲の働きかけで子どもが不便することなく生活できるようにすることは可能です。
親が求めているのは、『子どもの幸せ』であることを考えると、やるべきことは、特性をなくすことではなく、楽しく生活できるように工夫することではないでしょうか。
一人で考えるのには、限界があり、また悪い方向に考え始めるとどんどん負のスパイラルに陥ってしまう方をたくさん見てきました。
その負のスパイラルに新たな道を作るのが専門家の仕事でもあります。もちろん子育ての先輩に聞く事も効果的ではありますが、あまり知られたくないと考える方もいるので、そういう時には専門家を頼る方がいいでしょう。
そう考えると、保育士、学校の先生、保健師、医者、心理士などに話してみることで、新しい視点が見えてきて、生活の中でできる工夫が出てきます。
③ 子どもの「困り感」を見る
発達相談では、親の心配だけでなく子ども自身の困り感を見ることが大切です。
- 友だちとうまく遊べない
- 集団活動についていけない
- 気持ちの切り替えが難しい
こうした困り感が続く場合、早めのサポートが役立つことがあります。
子どもはなかなか困っていてもうまくそれを言語化することができません。
生活の中で見られるサインとしては、
・表情が暗くなった、親から離れなくなった
・食欲がなくなった、生活習慣が乱れる
・今まで楽しんでいたことをしなくなった 等
の変化を見逃さず、大人から声をかけてあげることが必要です。
すぐに話してくれないことも多いですが、
「いつでも話を聞くからね。」、
「困ったときには必ず力になるからね。」
というメッセージを子どもに送り続けておくことで、子どもから話しやすい雰囲気を作ってあげることも大切です。
④ 親の困り感も大切なサイン
実は、発達相談のきっかけとして多いのは親の困り感です。
毎日の子育ての中で
- どう関わればいいかわからない
- 叱ることが増えてしまう
- 周りと比べて不安になる
こうした状態が続くと、親自身が疲れてしまいます。
よくあるのが、子どもは困っていないけど、親が困っているというケースです。
大人は子どもよりも先の見通しを持つことができますが、あまりにも心配しすぎると子どもの可能性を減らしてしまうこともあります。
そういった時には、
「私には困っているように見えるけど、○○はどう感じてる?」
「○○は最近困っていることはない?」
と聞いてあげてください。
親も子も同じことで困っていると支援もスムーズですが、どちらか一方だけの場合には、丁寧な話し合いが必要です。
もしくは、『困り感が親子で違うこと』について、専門家に相談してみてもいいかもしれません。
③ まとめ
子どもの発達相談に行くタイミングは、特別な基準があるわけではありません。
大切なのは次のポイントです。
- 気になることがあれば早めに相談する
- 子どもの困り感を見てみる
- 親の困り感も大切にする
- 一人で抱え込まない
発達相談は「問題を見つける場所」ではなく、子どもの理解を深める場所です。
不安な気持ちを抱えたまま過ごすより、専門家と一緒に考えることで、子育てが少し楽になることもあります。













