子どもの携帯電話は何歳から?

公認心理士がやさしく解説

① 初めに

悩める母
悩める母
子どもに何歳から携帯電話は持たせていいのかしら?

今どきの子どもはみんな持ってるって聞くし。

仲間はずれにされたらどうしよう

これは子育て相談の中でも、最近とても多い悩みの一つです。

友達が持ち始めると「うちの子にも必要なのでは?」と感じる一方で、
「トラブルに巻き込まれないか」「依存してしまわないか」と不安になる親も多いでしょう。

携帯はとても便利な道具ですが、子どもの発達段階に合っていないと、
トラブルやストレスの原因になることもあります。

この記事では、公認心理師の視点から
『子どもに携帯を持たせるタイミング』と、
『親子で安心して使うためのポイント』についてやさしく解説します。

子どもに携帯を持たせる年齢に「正解」はない

結論から言うと、携帯を持つ年齢に絶対的な正解はありません

ただし、多くの家庭では次のタイミングで持つことが増えます。

  • 小学校高学年(10〜12歳)
  • 中学校入学
  • 習い事や塾で帰宅が遅くなる時期

つまり、年齢よりも生活環境の変化がきっかけになることが多いのです。

心理士パパ
心理士パパ
発達相談でも、「友達が持っているから欲しい」と言う子は多いですが、
大切なのは“持つ理由”がはっきりしているかどうかです。

そもそも、携帯電話を子どもが欲しがっているから持たすのか、親が必要だと考えて持たせるのかによっても変わってきます。

持ちたい/持たせたい理由持ちたくない/持たせたくない理由
子ども・友人が持っている
・学校で話題についていけない
・友人と連絡を取りたい
・特になし
大人(保護者)・防犯上の理由
・子どもが孤立するとかわいそうだから
・周りの子どもが持っているから
・携帯に依存させたくない
・犯罪に巻き込まれるリスクがある
・毎月のお金が高い

 

これ以外にも理由はたくさんありますが、子どもは持ちたい理由が多く、大人は持たせたい理由も持たせたくない理由もどちらもあるというの現状ではないでしょうか。

なぜ、携帯電話が必要なのかの理由を考えるときには、「子ども側の理由」「親側の理由」をそれぞれ別で考える必要があります。

その上で、話し合いをすることが親子のスレ違いを減らすポイントになります。

早すぎる携帯はトラブルの原因になることも

スマートフォンは大人でも使い方が難しいツールです。
そのため、準備ができていない状態で持つと、次のような問題が起こることがあります。

  • SNSトラブル
  • ゲーム依存
  • ネットいじめ
  • 生活リズムの乱れ

特に小学生は衝動性や判断力がまだ発達途中です。
そのため、ルールがないまま使うとトラブルにつながりやすいのです。

心理士パパ
心理士パパ
子どもにとってスマホは「強すぎるおもちゃ」です。
だからこそ、使い方を大人が一緒に学んでいくことが大切です。

子どもが自分の意志でコントロールできないツールであることを大人が理解しておく必要があります。

その上で子どもに持たせるなら、大人がコントロール装置を担ってあげる必要があるのです。

大人でも片時も手放せなかったり、ちょっとした隙間時間があれば覗いてしまうほど、魅力的なツールが携帯電話です。

子どもに「自分でよく考えて使いなさい。」と言っただけで、大人が考えるような使い方ができるはずがないのです。

だからこそ、子どもがいくらすぐに持ちたいと言ってきても、よく大人が考えて、これなら安全に使うことができるという準備(ルール、使い方)ができているかどうかが重要です。

心理的におすすめのタイミング

心理的な発達から考えると、携帯を持つタイミングは、年齢ではなく
「自分でルールを守れるかどうか」が一つの目安になります。

例えば次のような様子が見られるなら、準備が整ってきている可能性があります。

  • 約束を守れる
  • 時間の管理ができる
  • 親と相談できる
  • トラブルを話してくれる

約束を守るのが難しい段階や時間管理ができない状況では、
携帯はまだ早いかもしれません。

心理士パパ
心理士パパ
「何歳だからOK」ではなく、
「この子は今、責任を持って使えるかな?」という視点が大切です。

携帯電話にとらわれすぎず、毎日の生活の中で約束が守れたり、規則正しい生活ができたり、親と会話ができたりといったことを意識的に見てみる必要があります。

また、大人側も子どもにルールを守らせることができるくらい成長するまでは、待つ必要があります。

約束やルールは、守らせようとする意識が薄いと簡単に形骸化してしまいます。

「今日ぐらい。」、「かわいそうだし。」といった意識から、安易に約束の変更をずるずると繰り返してしまうと、もとの約束に戻るのにかなりの労力と時間がかかります。

子どもの成長とともに親も成長が必要です。

うまくいけば、約束は守ることの大切さや、それが信頼につながることを教える良い機会にもなります。

携帯を持つまでの4ステップ(順不同)

1.日常会話の中で携帯電話のトラブルについて話題にする

ニュース番組を見ていれば、携帯電話から始まるトラブルはたくさんあります。

  • いじめ、差別
  • 詐欺被害、アカウント乗っ取り
  • 闇バイト
  • 盗撮、SNSトラブル

日常会話のなかで、これらの話題を話したときに子どもがどのような反応を示すのかを観察します。

まだ、自分の事として考えるのは難しいかもしれませんが、このようなトラブルのリスクがあるということは、最低限の知識として必要になってくるでしょう。

心理士パパ
心理士パパ
子どもが「携帯がほしい。」と言ってきたときには、『じゃあ、携帯電話を持つことで起こるかもしれないトラブルをいくつ知ってる?』と聞いてみるのもいいかもしれません。

2. 親が使い方のモデルになる

子どもは、親の行動を見て多くのことを学びます。

親が「おはよう」というと、子どもは朝の挨拶ができるようになります。

親が約束を守れば、子どもも約束を守るようになります。

親がポイ捨てをすると、子どももポイ捨てをします。

親がごはん中に携帯を触れば、子どももごはん中に携帯を触ります。

このように、子どもの行動は、親の行動の『モデリング』によるものも多いのです。

そう考えると、携帯電話についても、親の使い方を見て子どもも似たような使い方になるということを意識することが大切です。

親がスマホばかり見ていると、子どもも同じ使い方をします。

子どもに携帯電話に依存してほしくないと願っているなら、まずは自分がどのくらい携帯電話を使っているのかを知るべきです。

スクリーンタイムを使えばすぐに知ることができます。

3. スマホを与える前に話し合う(約束を親子で決める)

トラブルの多くは、スマホを持った「後」に起こります。

だからこそ、持つ前に『約束事』を共有しておきましょう。

・使用時間

一番最初に携帯電話を持つときには、使用時間を決めることが大切です。

これは、使い過ぎを防止する役目もありますが、『約束を守れるかどうか』携帯電話を手放すことができるかどうか』を見極めるためにとても重要です。

(使用時間で区切るか、終了時間で区切るかはそれぞれです。)

・使用時間帯(終わりの時間)

始まりの時間よりも、終わりの時間を決めることが大切です。

特に小学生、中学生までは生活リズムが崩れやすいため、携帯電話を手放す時間を決めておくことは大切です。

『○○時には預ける』、『リビングにおいておく。』等の手から離れるようにすることが大切です。

睡眠時間の確保、生活習慣を整えるためには、携帯と離れる時間は重要です。

・使用場所

『リビングのみで使用できる。』、『風呂場には持ち込まない』など、使用場所を考えておくことはとても重要です。

そうすることで携帯電話で困ったことが起きた時にすぐに大人に相談ができたり、誰かに見られるとまずいと思うようなことに近づきにくい環境が作れます。

たくさんの子どもを見てきた中で、携帯電話のトラブルで多いのは、性的な画像を送ってしまう被害です。この被害にあう時の使用場所は自室や風呂場です。

特に風呂場で携帯電話を使用しているときに、そういった被害にあうことが少なくありません。

子どもの自己コントロールと知識だけでは防ぐことはかなり難しく、使用環境の約束も大切だと考えます。

・ペナルティとご褒美

心理士パパ
心理士パパ
ペナルティを嫌う方がいるのは重々承知していますし、できればそういったことをしたくないのもわかります。
でも、これには大切な理由と狙いがあります。

ペナルティとご褒美は、最終的にご褒美だけでよくなっていくんです。

約束というのは、破ったときに何か自分に不利益がない場合、形骸化しやすいのも事実です。

『次の日は使えない。』、『次の日の使用時間が減る。』等なんでもいいので最初に決めておくことが大切です。

これを最初に決めておかないと、後付けでペナルティの話をした時には必ず親子でトラブルになります。

親の気分で、約束事やペナルティが変わることは絶対に避けるべきです。親子の信頼関係を作るためにも、お互いに最初に決めた約束を守る姿勢が重要です。

また、ペナルティだけをつけるのはフェアじゃないので、『約束を○○回守ることができたら、1時間使用時間が増える。』等の守ったときのプラスをつけることも大切です。

『守らないとペナルティ、守ったのに何もない』では、不公平です。さらに、約束を守ってくれるということは、同時に親が心配していることからは離れていくことにもなります。

プラスにご褒美をつけることには、プラスの行動を子どもがとることで、自動的にマイナスの行動が減っていくという狙いもあります。

ペナルティとご褒美は同じくらいの価値があるかどうかということも大切です。

ペナルティ =1週間使用禁止。

ご褒美   =1時間使用時間追加

これだと、ペナルティの比重が重すぎます。

といった感じで、プラス、マイナスが0になるように作ることが大切です。

これで子どもの納得感が増し、約束を守ろうとする意識にも影響を与えます。

4.「困ったら相談できる関係」を作る

一番大切なのは、トラブルが起きた時に
「怒られる」ではなく「相談できる」と思える関係です。

生成AI,SNSなど次々と新しいものが出てくる中で、どのようにそれらを使いこなせば、より人生が豊かになるかを一緒に考えられる機会でもあります。

親が常に子どもの前を歩く必要はありません。隣に並んで一緒に考え歩んでいく姿勢も大切です。

避けたいのは、よくわからないけど心配だから禁止してしまおうという判断です。

わからないことを一緒に学ぶ姿勢いることで、子どもは親に相談がしやすくなるのです。

③ まとめ

子どもの携帯は、単なる便利な道具ではなく
人間関係や生活習慣にも影響するツールです。

そのため、

  • 年齢だけで判断しない
  • 生活環境を考える
  • 約束を親子で決める
  • 相談できる関係を作る

この4つがとても大切になります。

焦って持たせる必要はありません。
子どもの成長を見ながら、家庭に合ったタイミングを見つけていきましょう。

④ 関連記事