切り替えが苦手な子への支援

切り替えが苦手な子への支援|心理士パパがやさしく解説
「次にいくよ」と声をかけても動けない。
遊びをやめられずに癇癪になる。
予定変更があると大きく崩れてしまう。
切り替えが苦手な様子を見ると、親としては心配にもなりますし、つい強く言いたくなることもあります。
でも実は、切り替えの苦手さは“わがまま”ではなく、発達特性や安心感の問題が関係していることが多いのです。
この記事でわかること
- 切り替えが苦手になる心理的背景
- よくある誤解
- 家庭でできる具体的な支援方法
- 年齢別の関わりポイント
なぜ切り替えが難しくなるのか
① 脳のブレーキ機能がまだ育ち途中
行動を止めて次へ移る力は、脳の発達と深く関係しています。
特に幼児〜低学年は、止める力より「続けたい力」が強い時期です。
- 衝動を止める力が弱い
- 楽しい活動から離れにくい
- 気持ちの整理に時間がかかる
② 見通しが立たない不安
次に何が起きるか分からないと、人は不安になります。
子どもは特にその影響を強く受けます。
- 予定変更に弱い
- 突然の終了が苦手
- 先が見えないと固まる
③ 集中の深さが強みでもある
切り替えが苦手な子は、逆に言えば「集中力が高い子」でもあります。
没頭できる力は将来の大きな強みになります。
困りごとの裏側には、伸ばせる強みがあります。短所と思っていたことが、実は長所にもなりうるのです。
よくある誤解
誤解①:言うことを聞かないだけ
本人は聞いていないのではなく、止められないことが多いです。
なので、大きな声で怒鳴っても、その瞬間はうまくいってもまた同じことが起こります。
誤解②:厳しくすればできる
圧で止めると、その場は動きます。
でも次第に、
- 不安が強くなる
- 反発が増える
- 自己肯定感が下がる
という副作用が出やすくなります。
さらに、厳しさを増していかないと動けなくなるという悪循環にはまることがあります。
私は、児童養護施設での経験から、この悪循環が虐待に至ってしまったケースをいくつも見てきました。
家庭でできる具体的な支援方法
① 予告を入れる
いきなり止めるのではなく段階予告をします。
- あと10分
- あと5分
- あと1回で終わり
心の準備時間があるだけで成功率が上がります。
② 視覚で見せる
- タイマー
- スケジュール表
- チェックリスト
目に見える情報は安心材料になります。
③ 「次の楽しみ」を用意する
終わり=損失になると切り替えは難しくなります。
- 次に好きな活動を置く
- 小さな楽しみを準備
- 終わりのごほうびを作る
年齢別の関わりポイント
未就学児
- 切り替え時間を長めに取る
- 歌や合図を使う
- 遊びの区切りを作る
小学校低学年
- タイマー活用
- 見通しカード
- タスクを小分けにする
小学校中学年以上
- 自己調整の作戦会議
- 自分でタイム管理
- 振り返り習慣
やってはいけない対応
逆効果になりやすい関わり
- 突然やめさせる
- 長い説教
- 人格否定の言葉
- 比較で動かそうとする
感情を強く揺さぶる方法は、次回の切り替えをさらに難しくします。
子どもの自信を喪失させるようなやり取りは、子どもにも親に良いことがありません。
まとめ|切り替えは支援で伸びる力
切り替えが苦手なのは、能力不足ではありません。
発達の途中であり、支援で伸びていくスキルです。
- 予告する
- 見える化する
- 次の楽しみを用意する
- 責めない
親の理解と工夫が、子どもの調整力を育てます。
焦らず、一緒に練習していきましょう。















