こだわりが強い子の心理的特徴とその対応

心理士パパがやさしく解説

 

「どうしてこんなにこだわるの?」
「少しでも違うとパニックになってしまう…」

子育ての中で、こうした悩みを感じることはありませんか?

こだわりが強い子は、周りから見ると「頑固」「わがまま」と捉えられがちですが、実はそこには大切な心理的理由があります。

この記事では、こだわりが強い子の心理的特徴と、親が少し楽になる関わり方についてやさしく解説していきます。

心理士パパ
心理士パパ
こだわりの強さは、その子の「困りごとのサイン」でもあるんです。

なぜその子はこだわっているのかという背景を考えることが大切です。

こだわりが強い子の心理的特徴

① 予測できないことへの不安が強い

こだわりが強い子は、「いつも通り」であることに安心を感じています。

逆に言えば、予定外の出来事や変化は、強い不安や混乱につながります。

例えば、順番が変わる・道が違う・いつもと違う対応をされるだけで、心が大きく揺れてしまうのです。

その背景は、先の見通しを立てることが苦手という特徴があります。

多くの人は、急な予定の変更で多少不安やイライラしたりということはありますが、臨機応変に頭の中で、今後の予想を立てて、それに向けた行動の方向を考えることができます。

しかし、こだわりの強い人(見通しを立てることが苦手な人)は、予定の変更が伝えられた瞬間に極度の不安に襲われて、頭の中がその気持ちでいっぱいになってしまうのです。

不安でいっぱいの頭で先の見通しを立てることはできません。

まずは、不安を収めて、頭の中に予定を考えるスペースを作らなければいけません。これに時間がかかるのです。

例えば、

ある親子が、午後から遊園地に行く予定を立てていましたが、雨が降ったため、美術館に行く予定に変更しました。それをAちゃんに伝えたところ、

「遊園地に行くって言ったじゃん。なんでなんで。」と怒って、同じことを繰り返し叫びます。雨であることを伝えてもなかなか落ち着くことができず、徐々にパニックのようになり、最終的にお出かけをキャンセルしなければいけなくなりました。

こんな経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。

これも、予定の変更に対して、先に不安が爆発してしまい頭の中がいっぱいの状態になってしまった結果だと考えられます。

こういった時の対応については、後半で説明させていただきます。

② 感覚やルールに対して敏感

服の着心地、音、におい、物の配置など、細かな違いに敏感な子も多いです。

これは、「感覚過敏」と言われたりします。

「聴覚過敏」・・・音に敏感。大きな音や特定の音(インターホン、雷)に過敏に反応。

「触覚過敏」・・・肌に触れるものに敏感。抱っこやおんぶを嫌がる。特定の服の肌触りを好む。

などなど。子どもごとに異なる過敏さを持っていることがあります。

また、自分の中の「こうあるべき」というルールがはっきりしているため、それが崩れると強いストレスになります。

一日の朝起きてから、寝るまでの行動のルーティンが必ず決まっていたり、ぬいぐるみの位置、リモコンの位置など、自分の中のルールは様々でです。

③ 自分を守るためのコントロール

こだわりは「わがまま」ではなく、安心を保つための方法です。

自分で状況をコントロールすることで、不安を減らそうとしているのです。

心理士パパ
心理士パパ
こだわりは、その子なりの「安心の作り方」なんですね。

こだわることで、いつも通りの安心できる毎日が送れるように頑張っているのです。

毎日同じことをする方が大変と思う人もいれば、そっちの方が安心できる人もいるんだという認識がぴったりかもしれません。

こだわりが強い子への対応【4つのポイントで解説】

① 先に見通しを伝える

変化に弱い子には、「これから何が起こるか」を事前に伝えることがとても大切です。

「あと5分で終わりだよ」「今日は少し違うルートで帰るよ」など、予告することで安心感が生まれます。

予告の直後にそれが始まるのではなく、始まる前に伝えることで頭の中で準備をする時間を作るイメージです。

ほとんどの人が、もし予定の変更があるなら、早めに教えてほしいと思うのは当然です。こだわりの強い人には、特に丁寧に伝えてあげる必要があるということです。

私の経験上、こだわりの強い子どもでも、丁寧に先の見通し伝えておくことでパニックになることを防げることはとても多いです。

もし、どうしても急な変更を伝えなければいけない場合は、変更内容を細かく分けて、子どもがその情報を一つづつ処理できるように伝えます。

時間、場所、行き方、人の変更などは一個づつ扱います。また、「変更になったけど、大丈夫だよ。」と子どもが安心感を感じられるような声掛けをすることも需要です。

急な変更は大人もあせって余裕がなくなります。その姿を見て、さらに子供は不安になってしまいます。深呼吸や簡単なリラクゼーションをしてから、子どもに話すようにしましょう。

できる限り先の見通しを伝える。

急な変更が必要な場合は、子どもが不安を感じることを想定して、どう伝えると不安を軽減できるのかを考えてから話すようにする。

できれば、伝える側も落ち着いた状態で伝える。

② 小さな変化から慣らす

いきなり大きな変化を求めると、強い抵抗が出ます。

まずは小さな変化から始めて、「変わっても大丈夫」という経験を積み重ねていきましょう。

例えば、

・9時から歯磨きを始める → 9時~9時10分の間に歯磨きをする。

・ぬいぐるみの並び順を一つづつではなく、グループに分けて、グループ内の順 番は自由という枠を作る。

一番大切なことは、子どもが「変わっても大丈夫」と思えるような安心感を持てる経験をすることです。

もちろん、この作業は手探りになることが多く、専門家が入ったとしてもトライ&エラーで少しづつ調整をしていくものなので焦りは禁物です。

③ 気持ちを言葉にして受け止める

「嫌だったね」「いつもと違ってびっくりしたね」と気持ちを言語化してあげることで、子どもは安心します。

不安の原因を子どもが言語化するのはとても困難です。「頭の中がもやもやする。」、「胸がドキドキする」などの表現も多く、それに対して大人が感情を言葉で足してあげることで、子どもも自分の感情に気づくことができるようになります。

さらに、大人が自分に関心を示して、気持ちをわかってくれようとしている姿を見て安心感を抱くことができます。

大切なのは、正そうとする前に理解しようとする姿勢です。

いま、子どもに何が起こっているのか、その背景を想像して対応をする。

子どもの行動には必ず理由がある。

 

④ 親の困り感にも目を向ける

こだわりの強さに付き合い続けることは、親にとって大きな負担になります。

「全部対応しなきゃ」と思いすぎると、心が疲れてしまいます。

ときには「ここは譲れない」「ここは大人の都合で進める」と線引きをすることも大切です。すべてを子どもの意見に合わせなければいけないわけではありません。

こだわりの強さの背景には、発達課題が隠れていることがあります。一人で悩むのではなく、周囲の友人や専門家に相談することで視点が広がり気持ちが軽くなることもあります。

親に余裕がない状況は、子どもにとっても余裕がない状況になっている一つの目安になります。

一度そこから離れて、リラックスしてから向き合ったら、すぐに解決したなんてこともよく聞きます。

心理士パパ
心理士パパ
親が楽になることも、子どもにとってすごく大事なことなんです。

先の見通しが持てない子どでも、親がどっしり構えて「だいじょうぶ」といった一言で安心感を得ることも多々あります。

まとめ

こだわりが強い子の背景には、不安や感覚の敏感さがあります。

  • 予測できないことへの不安が強い
  • 感覚やルールに敏感
  • 安心するためにこだわっている

そして関わり方としては、

  • 見通しを伝える
  • 小さな変化から慣らす
  • 気持ちを受け止める
  • 親自身の負担にも目を向ける

この4つを意識することで、親子ともに少しずつ楽になっていきます。

こだわりは「困った特徴」ではなく、その子の大切な個性の一部です。

周囲の大人が環境を調整(声かけ、)することで、子ども自身が困り感を持たずに済むことも多々あります。

無理に変えようとするのではなく、理解しながら付き合っていくことが大切です。

心理士パパ
心理士パパ
完璧に対応しなくて大丈夫。少しずつでいいんです。

子どもも大人も急に変わることはできません。ただ、全く変わらないということありません。その変化には、なかなか気づきにくいかもしれませんが、確実に少しづつ変化しています。

のんびりいきましょう。